2005年09月10日

禁色

禁色

紫色の花は、気品にあふれている。

なぜだろう?

中国の王制をまねて、聖徳太子が定めたという官位十二階。

その最上位が紫色であったのをはじめ、

紫は、「高貴な色」とされてきた。

禁色(きんじき)と呼ばれ、一般民衆の使用は制限された。

その長く続いた意識の名残りが、まだ残っているのだろう。

紫という色を染め出す染料が、貴重で高価だったのだともいう。


そのいっぽうで、病気の子供に絵を描かせると、

必ず紫を使うのだとも言われている(真偽のほどは定かではない)


先天的なものなのか、後天的なのか、

紫という色が、人間の畏怖や敬意を喚起することは、間違いないようなのだ。


それが、高級感や美質の演出にとどまっていればよいのだが、

階級や身分の選別に用いられるようなことは、ありがたくない。


ところで、われわれの目にはほとんど無関係に見えても、

紫と白は、自然界においては、紙一重の色なのだそうだ。

ほんの少しの差で、紫が出ても白が出てもおかしくないらしい。


白のもつ独特の気品も、

そのようなところからも来ているのだろうか。


つい余分なことまで考えてしまう。

そんなことよりも先に、

素直に美しさを愛でればいいのだ。

その気品に息を呑み、

じっと見つめればいいのだ。


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Posted by び ん at 05:10│Comments(10)ひとりごと
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平安時代に天応や貴族などの袍の色を 一般の臣下が着用する事を禁じた制度や色のこと...
着物の用語-禁色/きんじき【京都きもの工房blog】at 2008年06月20日 10:44
この記事へのコメント
紫は私にとって、とても憧れの色です。
色白の女性が
紫の和服を着けていて
それだけで見惚れてしまいます。
幼い頃近所にいらっしゃった方が
本当にステキで
いつも紫やすみれ色の着物でした。

ああいう大人の女になる予定だったのに・・・(T0T)
Posted by よんな~ at 2005年09月10日 09:30
ま、予定は未定ってよく言いますから(汗)

でも、そう言っておきながら・・・?(笑)
Posted by びん at 2005年09月10日 10:28
小さい頃・・・

絵の具で 空を紫色に塗ったら・・  先生に 呼び出された(笑)

先生が ど~~したの~~??と聞いたとき。

確か 絵の具の何色かが 足りなかったんだよね でも 言えずに。。


これも 病気の一種ですかいな??^^、、
Posted by ハーリー at 2005年09月10日 11:18
どうしようもない時以外は
コノ色とのかかわりを
キョクリョク避けるワタシって・・・

ノーマルなのか
超越して病んでいるのか

疑問だ!!
Posted by jun at 2005年09月10日 11:35
どうしようもない時以外は
コノ色とのかかわりを
キョクリョク避けるワタシって・・・

ノーマルなのか
超越して病んでいるのか

疑問だ!!
Posted by jun at 2005年09月10日 11:50
やばい!!
二重投稿になってる・・・

びんさん・・・
お慈悲を。
Posted by jun at 2005年09月10日 11:52
紫、、、、ブルーといい
病的とされてきたのよね、、、困った事に

色って非常に主観的要素をもっている様に思えます。
好き嫌いはしょうがないにせよ、濁っている、暗いというのは
嫌われております、、、、でも暗い濁りというのがあるから
明るさも透明もあるんですけどね、、、、
相対するもの上手に使い分けたいもんです。
Posted by 源氏パイ at 2005年09月10日 12:11
>ハーリーさん

小さい頃から呼び出しのプロ!
でも、言えないでいるのはカワイイ(笑)

たしかに。世の中いろんな病がありますゆえ・・・


>junさん

いえ、ご容赦いたしませぬ(笑)

「どうしようもない時」って、どんな時なんだろう。


>源氏パイさん

「でも暗い濁りというのがあるから
明るさも透明もあるんですけどね、、、、」

もはや何も申し上げずに、
15日、その「色」に会いに行きます。
泣くかもしれません、泣き虫なので。
Posted by びん at 2005年09月10日 16:05
紫て不思議と惹かれますね・・。秋空の温かい赤紫からアコウクロウに入る青紫の冷ややかさと淋しさが何ともいえませんねぇ(~..~)しんみり。
Posted by アンジュール at 2005年09月10日 19:54
秋空の赤紫から薄闇へ 青紫の冷ややかさかな   庵住る

・・・というところですかな。お見事(笑)
Posted by びん at 2005年09月10日 21:02
お返事が遅くなる場合があります。あしからず。
 
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