2006年08月03日
すーまぬめぇの謎、再び
たまったツケの支払いに、勤め先近くの本屋に行った。
たまったツケの半分ほどを払い、ちょっと大きな顔で立ち読みをした。
すると、岡野信子氏著『屋号語彙の開く世界』(和泉書院、2005年)があった。
(和泉書院のHPより新刊案内)
日本各地の屋号を収集・分類し、そこから見えてくる共同体社会の姿を簡潔に描いた好著だ。
『屋号語彙の総合的研究』(武蔵野書院、2003年)という大著をもつ著者だけに、
その考察には「屋号」という記号をとおして旧来のムラ社会を見通す深さがある。
さて、その中に(ページ数としてはわずかであるが)沖縄の事例研究もあった。
それを読んで、即座に思い出したのは、かつて書いた「すーまぬめぇ」のこと。
http://bin.ti-da.net/e785526.html 2006年5月9日「すーまぬめぇ」
そこでは、とあるHPに載っていたエピソードをヒントに、
「すーまぬめぇ」という耳慣れない言葉が「城間の前」という意味の屋号だと推定したのだ。
ところが、岡野さんの『屋号語彙が開く世界』では、
かなりの数上げられた沖縄の屋号の中に、
「○○の前」というものは見当たらないのである。
それどころか、沖縄の屋号は、「元屋(ムートーヤ)」を基本にして、
その前に「新(ミー)」だとか「前(メー)」「後(クシ)」などを冠していくのが基本だという。
それも、「「前」は前につける」というのは、基本法則の2番目に出てくる基本中の基本なのだ。
とすると、もし「城間」が「元屋」だったとして(そうでなくてもよいが)
沖縄の屋号形成の基本法則に則(のっと)れば「前城間」になるはずなのだ。
つまり、屋号であれば「城間」を「すーま」と読んだとして、「めーすーま」が基本形となる。
ところで、「城間」は「すーま」ではなく「ぐすくま」と読むのではないか?
いや。それはここでの話題ではないから置いておくといしても、
「城間の前」は、「前城間」に対して完全に分が悪い。
というわけで、「すーまぬめぇ」の謎解き、またふりだしに戻ってしまった。
え?・・・「謎」だなんて大げさ?
いえいえ、馬鹿にしちゃいけません。すーまぬめぇのそば、むちゃくちゃうまい!
は?・・・話がはずれましたか?(^-^ゞ

(香川県高松城の石垣)
『屋号語彙が開く世界』を読むにつけ(立ち読みでしたが・汗)
屋号というのは、共同体が積み上げる石垣のようだと強く感じた。
前や後ろに、上に下に、ひとつひとつ積み上げることによって、
その共同体の存在を、より堅固なものとして行く。
そして、石垣の積み方に基本的・原則的なルールがあるように、
屋号の名づけにも、厳格な基本的ルールがあると感じたのだ。
そのようなルールをはずれて「城間の前」という屋号が存在しうるのか。
もちろん、あらゆる物事には例外がある。
岡野さんも、沖縄のすべての屋号を調べたわけではない。
だから、「すーまぬめぇ(城間の前)」が屋号であった可能性はゼロではない。
たとえば、すでに「めーすーま」が存在して、あえて区別をする必要があった、など。
しかし、もしそのことを立証しようとするならば、ただひとつの口伝えでは完全に不十分だはず。
ともあれ、探偵団としては、もう一度「すーまぬめぇ」に行ってみるところから始めるしかない。
ハーリーさん、よろしく!!(笑)
【追記】
すでに、5月9日の「すーまぬめぇ」に対して、
源氏パイさんの次のようなコメントがあったので付記しておく。
スーマヌメーは屋号ですか!
まーすや-のメーからきた物と、思ってました。
「まーすやー」、つまり「塩屋」のことであろう。
まーすまーすおもしろくなってきた「すーまぬめぇ」!( ̄0 ̄;;
たまったツケの半分ほどを払い、ちょっと大きな顔で立ち読みをした。
すると、岡野信子氏著『屋号語彙の開く世界』(和泉書院、2005年)があった。
(和泉書院のHPより新刊案内)
日本各地の屋号を収集・分類し、そこから見えてくる共同体社会の姿を簡潔に描いた好著だ。
『屋号語彙の総合的研究』(武蔵野書院、2003年)という大著をもつ著者だけに、
その考察には「屋号」という記号をとおして旧来のムラ社会を見通す深さがある。
さて、その中に(ページ数としてはわずかであるが)沖縄の事例研究もあった。
それを読んで、即座に思い出したのは、かつて書いた「すーまぬめぇ」のこと。
http://bin.ti-da.net/e785526.html 2006年5月9日「すーまぬめぇ」
そこでは、とあるHPに載っていたエピソードをヒントに、
「すーまぬめぇ」という耳慣れない言葉が「城間の前」という意味の屋号だと推定したのだ。
ところが、岡野さんの『屋号語彙が開く世界』では、
かなりの数上げられた沖縄の屋号の中に、
「○○の前」というものは見当たらないのである。
それどころか、沖縄の屋号は、「元屋(ムートーヤ)」を基本にして、
その前に「新(ミー)」だとか「前(メー)」「後(クシ)」などを冠していくのが基本だという。
それも、「「前」は前につける」というのは、基本法則の2番目に出てくる基本中の基本なのだ。
とすると、もし「城間」が「元屋」だったとして(そうでなくてもよいが)
沖縄の屋号形成の基本法則に則(のっと)れば「前城間」になるはずなのだ。
つまり、屋号であれば「城間」を「すーま」と読んだとして、「めーすーま」が基本形となる。
ところで、「城間」は「すーま」ではなく「ぐすくま」と読むのではないか?
いや。それはここでの話題ではないから置いておくといしても、
「城間の前」は、「前城間」に対して完全に分が悪い。
というわけで、「すーまぬめぇ」の謎解き、またふりだしに戻ってしまった。
え?・・・「謎」だなんて大げさ?
いえいえ、馬鹿にしちゃいけません。すーまぬめぇのそば、むちゃくちゃうまい!
は?・・・話がはずれましたか?(^-^ゞ

(香川県高松城の石垣)
『屋号語彙が開く世界』を読むにつけ(立ち読みでしたが・汗)
屋号というのは、共同体が積み上げる石垣のようだと強く感じた。
前や後ろに、上に下に、ひとつひとつ積み上げることによって、
その共同体の存在を、より堅固なものとして行く。
そして、石垣の積み方に基本的・原則的なルールがあるように、
屋号の名づけにも、厳格な基本的ルールがあると感じたのだ。
そのようなルールをはずれて「城間の前」という屋号が存在しうるのか。
もちろん、あらゆる物事には例外がある。
岡野さんも、沖縄のすべての屋号を調べたわけではない。
だから、「すーまぬめぇ(城間の前)」が屋号であった可能性はゼロではない。
たとえば、すでに「めーすーま」が存在して、あえて区別をする必要があった、など。
しかし、もしそのことを立証しようとするならば、ただひとつの口伝えでは完全に不十分だはず。
ともあれ、探偵団としては、もう一度「すーまぬめぇ」に行ってみるところから始めるしかない。
ハーリーさん、よろしく!!(笑)
【追記】
すでに、5月9日の「すーまぬめぇ」に対して、
源氏パイさんの次のようなコメントがあったので付記しておく。
スーマヌメーは屋号ですか!
まーすや-のメーからきた物と、思ってました。
「まーすやー」、つまり「塩屋」のことであろう。
まーすまーすおもしろくなってきた「すーまぬめぇ」!( ̄0 ̄;;
Posted by び ん at 18:31│Comments(13)
この記事へのコメント
Tバック どうも^^
で・・・おごれ!ってか(笑)
じゃ 今度の沖縄の旅?は 三食 沖縄そばで 決定!^^
屋号の話も 直接聞いたほうが いいかもね^^。。
で・・・おごれ!ってか(笑)
じゃ 今度の沖縄の旅?は 三食 沖縄そばで 決定!^^
屋号の話も 直接聞いたほうが いいかもね^^。。
Posted by ハーリー at 2006年08月03日 19:12
そうそう、おごれ、ってね(笑)
じゃ、3食沖縄そば×4日間決定~!!
直接聞いたら、「謎」引っぱれないじゃん(爆)
じゃ、3食沖縄そば×4日間決定~!!
直接聞いたら、「謎」引っぱれないじゃん(爆)
Posted by びん at 2006年08月03日 19:18
びんさん
探偵団団長としてぜひとも現地沖縄で調査していただきたい!!
( ̄ー ̄)。
探偵団団長としてぜひとも現地沖縄で調査していただきたい!!
( ̄ー ̄)。
Posted by さとこ at 2006年08月03日 19:55
同じ苗字でも読み方も色々が、沖縄の謎で面白いとこですよね。
玉城→たまき、たましろ、たまぐしく・・・とか。
城間も「ぐすくま」とも呼びますし「しろま」とも言います。その「しろま」を
時として・・・ええっと、方言呼びで「しぃーま」と言うのですよ。沖縄では
方言呼びが・・・はて、正しいのかしら?私の言い方・・・。すみません。
玉城→たまき、たましろ、たまぐしく・・・とか。
城間も「ぐすくま」とも呼びますし「しろま」とも言います。その「しろま」を
時として・・・ええっと、方言呼びで「しぃーま」と言うのですよ。沖縄では
方言呼びが・・・はて、正しいのかしら?私の言い方・・・。すみません。
Posted by ルビーの涙 at 2006年08月03日 20:20
>さとこさん
極力ご要望に沿った線で慎重かつ前向きに検討いたします!!
( ̄ー ̄;
>ルビーの涙さん
興味がありますね。
ただ、帰属する「国」の変遷によって「母語」が変わってしまったという事実は
やはり念頭に置いておきたいと思うのです。
「しぃーま」ですか?ニッサン?(すみません・汗)
「すーま」は「城間」のナマリだと思ったんですけどねぇ・・・なかなか一筋縄では・・・
極力ご要望に沿った線で慎重かつ前向きに検討いたします!!
( ̄ー ̄;
>ルビーの涙さん
興味がありますね。
ただ、帰属する「国」の変遷によって「母語」が変わってしまったという事実は
やはり念頭に置いておきたいと思うのです。
「しぃーま」ですか?ニッサン?(すみません・汗)
「すーま」は「城間」のナマリだと思ったんですけどねぇ・・・なかなか一筋縄では・・・
Posted by びん at 2006年08月03日 20:35
びんさん!「すまーぬめえ」のとこ再読しました。
「めぇ」は「前」ではなくって「飯」の「めぇ」だと思います。方言で「飯」又は食べ
物、食事の事を言います。城間は、しーま、とか、すーまとか年輩の方が使
います。「めぇー」は「食事」とも解釈出来ると思います。ですから「食堂」とも
・・・。あってるかしら??城間のご飯・・・・これ、すーまぬめぇーと方言で言い
ます。間違っていたら申し訳ありません。
しぃーま、ニッサン?(今、分かりました!メッ!)笑!
「めぇ」は「前」ではなくって「飯」の「めぇ」だと思います。方言で「飯」又は食べ
物、食事の事を言います。城間は、しーま、とか、すーまとか年輩の方が使
います。「めぇー」は「食事」とも解釈出来ると思います。ですから「食堂」とも
・・・。あってるかしら??城間のご飯・・・・これ、すーまぬめぇーと方言で言い
ます。間違っていたら申し訳ありません。
しぃーま、ニッサン?(今、分かりました!メッ!)笑!
Posted by ルビーの涙 at 2006年08月03日 21:28
度々すみません。私の「方言」と言う表現、間違ってると思います。びん探偵
さん、どうぞ上手くフォローお願いします。又、屋号と母語も、私の色んな足ら
ずじまいな文章で・・・・・・先生!宜しくお願いします。
さん、どうぞ上手くフォローお願いします。又、屋号と母語も、私の色んな足ら
ずじまいな文章で・・・・・・先生!宜しくお願いします。
Posted by ルビーの涙 at 2006年08月03日 21:48
「すーまぬめぇ」の「ゆし豆腐すば」大好きなんだなー
この謎ですがね(^^)うふふー続きを楽しみにしています
答えはお店にあったよねー(^^;)。
この謎ですがね(^^)うふふー続きを楽しみにしています
答えはお店にあったよねー(^^;)。
Posted by 上等沖縄司会屋 at 2006年08月03日 22:40
>ルビーの涙さん
いえいえ、足らずじまいな文章は、こちらも同じです。
ご年輩の方が近くにおられるのは、やっぱり強いですよね。
昔の言葉とか習俗とかを知りたいと思ったときに。
>上等沖縄司会屋吉澤さん
お店にあったぁ!!?
なんでやねん(≧-≦;
外の東屋で食べたばっかりに。
でも、ハーリーさん、そのあと母屋で食べてたよなぁ(苦笑)
あー、でもお店の答え見なかったら楽しめたっと!ははははは(T0T)
いえいえ、足らずじまいな文章は、こちらも同じです。
ご年輩の方が近くにおられるのは、やっぱり強いですよね。
昔の言葉とか習俗とかを知りたいと思ったときに。
>上等沖縄司会屋吉澤さん
お店にあったぁ!!?
なんでやねん(≧-≦;
外の東屋で食べたばっかりに。
でも、ハーリーさん、そのあと母屋で食べてたよなぁ(苦笑)
あー、でもお店の答え見なかったら楽しめたっと!ははははは(T0T)
Posted by びん at 2006年08月03日 23:03
内容と全く関係ないですが、お薦めされていた本の、「平賀源内の文芸史的位置―戯作者としての評価・評判」の出版社を拝見して思わず書き込みしてしまいました。北溟社さんだと、いつ改訂版が出るか分りませんから初版本入手できたらラッキーですね♪(良い出版者さんなんですけどね)
しかし、源内さんうなぎ宣伝説は、つい先日も日経で紹介されていました。
しかし、源内さんうなぎ宣伝説は、つい先日も日経で紹介されていました。
Posted by ポータラカ at 2006年08月03日 23:26
ポータラカさん、北溟社ご存知なんですか?
やっぱり、俳句の関係・・・なのかな?
「日経」、知りませんでした。どうもありがとうございます。
やっぱり、俳句の関係・・・なのかな?
「日経」、知りませんでした。どうもありがとうございます。
Posted by びん at 2006年08月04日 00:06
おはようございます♪
キャーッ!上等沖縄司会屋さん!お店に答えがあるのですか?
「すーまぬめぇ」様、すみませんです。「めぇ」は「前」の城間さんを敬った
城間様・・・みたいな呼び方でもあるのですね?!きゃーー恥ずかしい!!
今度、確かめに行ってきます・・・。すーまぬめぇーさい!ユルチキミソーリ
ヨータイ。ウートート。
キャーッ!上等沖縄司会屋さん!お店に答えがあるのですか?
「すーまぬめぇ」様、すみませんです。「めぇ」は「前」の城間さんを敬った
城間様・・・みたいな呼び方でもあるのですね?!きゃーー恥ずかしい!!
今度、確かめに行ってきます・・・。すーまぬめぇーさい!ユルチキミソーリ
ヨータイ。ウートート。
Posted by ルビーの涙 at 2006年08月04日 07:57
おはようございます。
お店に答えがあるって、ちょっと反則ですよねぇ(苦笑)
さてさて、どんな答えなのか、楽しみです!
お店に答えがあるって、ちょっと反則ですよねぇ(苦笑)
さてさて、どんな答えなのか、楽しみです!
Posted by びん at 2006年08月04日 08:14
お返事が遅くなる場合があります。あしからず。