2006年05月13日

普天間問題は決定済みなのではない!

きのうのことなのだが・・・

まずは「朝日」を読んだのだった(大阪本社14版)。

普天間問題は決定済みなのではない!

たしかにトップ記事ではあったけれど、

そして社説のほかにも2面、社会面に関連記事はあったのだけれど、

4月8日の名護市長との「合意」に比べても、あきらかに扱いが小さい。

4月8日「悪質な訪問販売」参照)

1面の中心を「世界バラ大会」の写真が占め、米軍再編関係は全体の3分の1以下。

ただ、5大紙(朝日・読売・毎日・日経・産経)の中では、それでもバランスのとれた構成。



そのあと読んだのは「読売」(大阪本社14版)。

普天間問題は決定済みなのではない!

薬局で待っているあいだに手にとって固まった。

トップ記事どころか、左下にわずか3段の扱い。

額賀防衛庁長官と稲嶺知事のあいだで合意済みの内容を

小泉首相とのあいだで稲嶺知事が再度確認したという論調。

「もうすべて決まっているんですよ」という言い方なのだ。

ebiさんではないけれど、これは情報操作・思想統制に等しい。

3面に関連記事。社説は、調整を「今後の課題」とする、意外にバランスのよい内容。



しかし、「毎日」(大阪本社13版)も、読売と五十歩百歩。

普天間問題は決定済みなのではない!

左上隅の3段。

右のトップ記事と下にある高松塚の写真にはさまれ

注意しなければ見出しすら見えない。

「沖縄知事に首相が謝意」

つまり、「もう決まりました」という扱い。

ただ、3面では「玉虫色のお墨付き」という見出しで

今後の難航を予測した記事。

社説は、政府の努力と説明責任を追及している。



日経(大阪本社13版)も扱いは小さい。

そして、「19日にも閣議決定」という見出しが示すように

あくまでも「事実上の受け入れ表明」という乱暴な扱い。

普天間問題は決定済みなのではない!

2、3面に小さな関連記事はあるが、

いずれも、米軍再編の費用負担と、地域振興策という視点から。

これでも、「日経」としては、異例に大きな扱いという印象が残る。

名護市長の受け入れより経済的にもたらす影響が大きいからだろう。



産経(大阪本社15版)の扱いは、意外に大きい。

普天間問題は決定済みなのではない!

トップ記事ではないが、1面に写真と2図を使った記事。

あいまいな表情を使った朝日とは異なりほこらしげな知事の顔。

そして、すでに「決定済み」の論調は、読売と共通する。

2面の関連記事に「沖縄知事 苦渋の決断」の見出し、

そして社説には「沖縄県の現実対応を評価」と、

読売以上に「すべてが決定済み」との姿勢は一貫している。



これほど扱いが小さいこと自体、

「たいしたことじゃない」という宣伝効果は抜群だ。

すこしも「たいしたこと」ではないことなどないのに!


そして、「すべてが決定済み」の印象を読者に与え

それを覆そうとする人の「反社会性」を際立たせてみせる。



いま、内地にいるぼく自身にできることがあるとすれば、

まだ「決定済み」なのではないことを、言い続けること。



【追記】

意味がまったく逆でしたので、下から5行目の太字部分(「ことなどない」)を書き加えました。



Posted by び ん at 02:06│Comments(5)
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驚愕の文字が目に飛び込んできたのだ・・・【沖縄で感じた日常】at 2006年05月13日 13:52
普天間移設 辺野古問題 アメリカ世界戦略 キャンプシュワブ巨大軍港計画今日、仕事中もちょこっとした時間にネットでニュースをチェック。うちに帰ってから、本土、沖縄、それぞれ...
稲嶺知事 政府案基本合意【ebiです。なにか書きましょね~沖縄】at 2006年05月13日 23:23
この記事へのコメント
おはようございます。
昨夜は私のブログへのTBありがとうございました。

常々、本土のマスコミの沖縄の取り上げ方については、大きな問題を感じています。学生達にも、しょっちゅうそのことを指摘したりしています。

とにかく、この問題については、「合意していない」意志の表明を続け、拡げてゆかねばと思っております。

今朝の「朝日」の天声人語は、伊波普猷のことばを引用して、県の指導者と国の沖縄の扱い、両方を批判していますね。
真にあるべき姿はなにか、問い続けたいです。
Posted by 干瀬のまれびと at 2006年05月13日 09:58
稲嶺県政のそもそもの成立の背景を考えれば、むしろここまでよくやってくれたという言い方も可能かとは思うのですが・・・

それでもこの説明責任の果たされない急転直下の翻意には釈然としない部分が多すぎます。

やはり希望をつなぐべきは為政者や報道にではなく、これまで通り「市民」ということになるのでしょうか・・・

こちらこそ、お返事ありがとうございます。
Posted by びん at 2006年05月13日 11:48
本土の取り扱いはこんなもんですか・・・。

情けない。。。
やっぱり。。。
これを見る日本全国の人が思う感想はどうなんだろう。。。

(残念)

なのに、
連日ここ沖縄には
 自然の残った沖縄
 スローライフな沖縄
っていいながらやってくる何万人もの観光客。

そんな人達に大人気なく本音を言ってあたってしまいそうです。 f^^;


沖縄の意見に耳を傾けてくれるのは世界中にどこにいるのか。。。と今までどおりの残念感を今回も受けてしまいました。


「拉致問題」・・・「韓国米軍基地問題」・・・

沖縄から政府を飛越し訴える

可能性も見え隠れする最近でした。
(私に出来ることは?・・・行動しなければ。。。)


本土のメディアの今回の件の扱いがうかがい知れてよかったです。
有難うございました。
そして、また貴重な意見よろしく御願いいたします。 


TB有難うございました。(&させて頂きます)
Posted by うみうさぎ at 2006年05月13日 13:51
こんばんは☆
マスコミって恐いですね。確かに記事の大きさとかで、どれだけ注目しているかが伝わってきます。決まったも同然みたいな印象与えるのは納得いかないっす。

コメントありがとうございます☆
早速、マックスバリュに直しました(^^;)自炊はいまのところ頑張って続けられていますね。自分に負けず、頑張ります!
Posted by しと at 2006年05月13日 21:49
>うみうさぎさん

「こんなもの」なのです。残念ながら。

おまけに、ここにまで至る経緯が、ほとんど何もわからない(書いてない)のです。

ぼくも観光客のひとりなのですが、はじめは沖縄の自然が、あるいは沖縄のくらしが好きになった内地の人たちも、それをきっかけにしていつかもっとさまざまな側面に目を向けるようであればと思います。

ご参考になったと言っていただけて、ありがたく思います。
名護市長のとき、うまく書けませんでしたので・・・


>しとさん

「第4の権力」には、特に目を光らせておきませんと(という思いがあります)。

>自炊はいまのところ頑張って続けられていますね。自分に負けず、頑張ります!

そのフレーズ、「マックスバリュ」と書かないと怒る人に教えてあげたいと思います(金もないのに外食続けて、性懲りもなく「おごって!」と言いますので・苦笑)
Posted by びん at 2006年05月13日 22:04
お返事が遅くなる場合があります。あしからず。
 
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