2014年11月01日

Nのためにー「Nのために」第3回

「Nのために」第3回を見た。


野ばら荘の大家に織本順吉を持ってきたのには唸った。


「五人と一匹」(NHK、1969~71年)の「どいとれさん」は、


ある世代にとっては、テレビドラマにおける巡査役の原型だ。


織本以外にも、配役には相当の神経を使っている。


言い換えれば、こっそり謎を出して視聴者相手に遊んでいる。


(それらは、また余裕があれば・・・。)


前回は三浦友和に注目したが、そもそも彼の父親が巡査だ。



「鹿男あをによし」とのつながりでは、


マドンナ・長岡先生(芝本 幸)が出ている。


とてもエグい役ではあるが、彼女もこの6年間、


親の七光りで遊んでいたわけではないと、


そんなことを思わせてくれる役だ。


山本未來に与えられた10分の1の時間で、


存在感を出している演技は評価されていい。


「ST」の筒井桃子にもその傾向は見えたが、


どこかの時点で開き直ったのだろう。


(山本未來もまた、親の七光りから、


自分の力で抜け出した女優である。)


少なくとも、中江裕司さんの監督作品、


夏の夜の夢」(2009年)では、まだ開き直れていなかった。



思い出すのは、2008年のこと。


「夏の夜の夢」の編集作業の最中に、


中江さんがインタビューの申し込みに応じて、


わざわざ那覇で会ってくださったことだ。


ぼくは、その席に同席させてもらったのだが、


インタビューのノートは今でもとってある。


最初は1時間くらいという約束で始まり、


結局3時間ほども話し込むことになった。


それは、とても貴重な3時間であった。



ただ、中江さんは少し迷っているように見えた。


その後、彼はドキュメンタリーに軸足を移すわけだが。


NHK-BSの「琉球の魂を唄う」(2001年)以来、


「白百合クラブ 東京へ行く」(2003年)を含めて。


彼の本領はドキュメンタリーにあると言えるかもしれない。


そのようなリアル重視の方向性の先に、


「桜坂劇場」の運営や、


「桜坂市民大学」があるとも言えるだろう。



ただやはり、「ナビィの恋」(1999年)を超える劇場映画を、と、


ぼくなどは心の中で期待しているし、それはきっと実現するだろう。



Nのためにー「Nのために」第3回



「柴本 幸のために」のつもりで書き始め、


結局「中江裕司のために」になってしまった。



「夏の夜の夢」のエキストラに誘われたのに、


用事ができて行けなかったのは残念だった。



桜坂劇場にも、久しぶりに行きたいな。


ただ、あそこの古書はほしいものばかりで、


代金と荷重がかさむのが玉に瑕なのだ。




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