2020年02月14日
安里川風景
雨の降る夜は、雨の夜の沖縄を思い出す。
どんよりと雲の垂れこめた空から落ちてくる
細い雨に刺されて微かに揺れていた安里川の
黒い肌を照らすおびただしい電飾の一粒一粒を。
雨のやんだ朝は、雨のやんだ朝の沖縄を思い出す。
夏至というのに肌寒い風が吹き抜ける安里川の
緑がかった水面(みなも)に時折影を落としながら、
6月の空を駈けてゆくイソヒヨドリの澄んだ鳴き声を。
満ちる潮が水面を押し上げてくる
河口近くの安里川の
とある一日の
大事な記憶。
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