その日は、めずらしく朝6時30分に目が覚めて・・・
珍しいのは、朝が早かったからという意味ではなくて、
明るくなる時刻まで寝ていたのは、ほんとうにひさしぶりで。
前日ちょっとひと仕事を終えたので、肩の荷を下ろした感じで。
目が覚めてしまったので、そのままつぎの仕事を始め、
そして、ふと気づくと、もう午前10時になっていた。
そろそろ出かける準備をする必要がある。
天気予報のチャンネルを見ようと思ってテレビをつけた。
びっくりした。
津波警報。宮古島・八重山地方に3メートルの予報。
与那国・西表・石垣・宮古・那覇の予報が3メートル。
そんな表示がテレビ画面の半分ほどを占領している。
警報なので当初は一律表示するようになっていて、
注意報であれば表示は1メートルになるのだが、
それでも3メートルという数値には肝をつぶす。
南海トラフ地震の最大予想値は34メートルで、
そうなってくるともはや想像の余地がないのだが、
3メートルというのは現実的な恐怖をもたらす。
東日本大震災の記録では最大値9mらしいが、
それでも、狭隘地形の奥では40メートルを超え、
ほんとうに予測がつかないのが津波なのだと、
改めて13年前、そして今年の1月1日を思い出す。
しばらく現地の状況がわからなかったので、胸がざわついた。
気象庁の職員が説明をしているのだが、よくわからない。
災害報道のたびに思う。
せめて、ちゃんと話のできる職員を出してほしい。
妥当な危機意識を喚起できる人員は気象庁にはいないのか?
沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に、津波警報が出ている。
それだけはわかった。しかし、その先の説明がぐだぐだなのだ。
対象地域の位置関係を知らないのか、会見の訓練をしていないのか。
チャンネルを替えた。民放の情報番組のほうが、ずっとよくわかる。
与那国には、すでに30センチの津波が到達したという。
しばらく、そのままテレビにかじりついていた。
その後、石垣島に、しばらくして、宮古島に、
それぞれ20センチの津波が到達したとの報。
画面は、石垣島や、宮古島や、那覇を映している。
10時40分になって、津波警報は津波注意報に変わった。
それから、台湾の映像が入ってくるようになった。
東部の都市花蓮の被害がいちばんひどいようだ。
台湾の東部地域には行ったことがないのだが、
本だけはたくさん読んだので、他人事の気がしない。
花蓮の郊外を舞台にした台湾ドラマが好きで、
なんだか、かつて行ったような気もするくらいだ。
当初の人的被害は、まだ小さな数字だった。
しかし、これから増えるのだろうなと思われた。
正午までチャンネルを替えながら見続けた。
(4月3日。シーサーの日、どころではない。)
支度をして、後ろ髪をひかれる思いで外に出た。
外に出たら、職場に着くまで電波を受ける方法がない。
いやいや、今時Wi-Fiを電波などと呼んだら笑われる。
でも、それが何なのか、説明できる人はどれだけいるのか?
そういえば、昔、ラジオの電波を入れ歯で受信したという、
そんな話を聞いたことがある。鉱石ラジオの時代。
鉱石ラジオって、今でもあるのか?
・・・あるらしい。
exラジオ少年
その後も、各地で震度3以上の地震が続いている。
今年(1月1日から4月30日まで)日本で発生した
震度5以上の地震は、もうすでに12回。
震度3以上になると、310回を超えている。
(
気象庁 震度データベース参照)
4月最後の1週間だけでも、震度3以上が9回。
そのなかには、27日のトカラ沖の深度3もある。
台湾に至っては、この1か月で1300回の体感地震。
ひとごとではないと思う。
ひとごとにしてはならないと思う。
気をつけましょうね。
気をつけてください。
それだけでは対応できない局面があるとしても、
しかし、やはり日頃の備えが物を言いますから。