日テレ系のTVドラマ『視覚探偵 日暮旅人』を、
取り上げた(というかパロったというか)先の記事、
今年からテレビやめたんじゃないかと、
ツッコミが入るかもしれませんが・・・
はい、そのとおりです。テレビやめました。
元日から50日目(2月19日)を期して、
ドラマ見てるんじゃないかと言われれば、
はい、見ています。ただしビデオで、ですね。
と、しっかり開き直っておりますが何か。
2月17日に今年最初の原稿を送り、
(目が見えなくなる人の物語について)
18日は娘1&2が撮りためたドラマ、
全速力で飛ばしながら見ました。
リアルタイムに第1回だけを見た段階で、
これはすごい(ほんとうに!)と思ったのは
『カルテット』で、ひょっとしたらものすごい作品に、
なるんじゃないかと録画で3話まで見たのですが・・・。
たしかに脚本のクオリティは群を抜いているけれど、
このくらいの会話なら小説にあるぞと思わされました。
いくらでも、とは言いませんが、質の高い小説の世界を、
ドラマの中に持ち込んで、それを俳優陣が支えている。
たしかに、なかなかのものではありますが、疲れます。
何話も、まとめて見たこちらが悪いのでしょうけれど、
ずっとこのテンションでは、ついて行くのは難しい。
すくなくとも、いまのぼくには、難しかったですし、
同じように難しい視聴者が多数派のはずです。
で、歴史的な名作とはちょっと言えないのですが、
『視覚探偵』は、さすが堤幸彦の作品だけある。
じつは昨年のスペシャルドラマも見たのですが、
今回の連続ドラマで確実にパワーアップしている。
1、松坂桃李の演技力が格段に進歩している。
2、それを受ける多部未華子が無理をしていない。
3、亀吉の上田竜也が空回りせず、意外といい。
4、シシドカフカがとんでもなくハマっている。
5、それら全体の空気を濱田岳が支えている。
こまかく記して行けばまだまだ理由はありますが、
出演者に注目すれば、これらがパワーアップの理由でしょう。
北大路欣也が浮きすぎていないことだけでも、すごいと思います。
子役の住田萌乃さんには無理に幼稚園児の演技はさせないほうが。
せっかくのいい味が、「こんな幼稚園児いるかい!」と相殺されかねず。
堤幸彦が、今回は自作のパロディ路線をできるだけ封印し、
(とはいえトリック臭はあえて節々に残しているのですが)
言い換えれば、「この」作品を楽しんでいるのがわかります。
(スペシャルでは、そこまでの愛着が感じられなかった。)
ただ、大きな物語(旅人の復讐譚)を太筆で描きつつ、
毎回のエピソードも小筆で描いて行くので印象が分裂し、
そこは、さすがの堤さんでもまだ処理しきれていない。
すくなくとも、第4話までの段階ではそう見えました。
多部未華子演ずる陽子先生のモノローグだけでは、
十分にリードしきれていなくて違和感が募りますし、
(堤幸彦は、そこもねらっているのでしょうけれど)
主人公だけが大きな物語の中で演技しているので、
その意味では浮いてしまって、なんだか気の毒です。
(彼だけが別の感覚の世界に生きているという設定は、
そういうことなのかと、理解しようとは思えるのですが。)
(参照:
『探偵 日暮旅人』公式HP)
(うわ大事な目薬が・・・)
・・・と、第5回のはじまる前に書いていたのですが、
しっかり回収してきましたね、太筆の大きな物語。
多部未華子を1回休ませた英断もさることながら、
それだけ印象深く、ナレーションが耳に残りました。
今回は、聞こえることの意味を問う話でしたし。
手話とドラマといえば、もちろん不朽の名作、
『愛していると言ってくれ』(1995年)ですが、
今回の『視覚探偵』、一瞬ではあったけれど、
すべての音を消した中での手話の場面は、
かなりトピカルな冒険だったと思うのです。
あと、いくつかドラマの録画がありましたが、
見ていないので、スルーします。
というわけで、
日曜の夜10時半にテレビがついていれば、
これからも興味シンシンで見ると思いますし、
ついていなければ、自分の仕事を進めます。
録画してなければ、それはそれで仕方ないし、
オンデマンドもYouTubeも、べつにいいです。
できればこのままテレビ離れしたいし・・・。
では、なんでこんな記事書いたのかといえば、
前の記事の「追記」を書きはじめたのですが、
長くなりすぎたので記事にしたというわけで。
では、ぼくはぼくの探偵仕事に戻ります・・・。