稲嶺さんの(あいまいな)笑顔

び ん

2006年04月08日 14:11

午後1時のNHKニュース。

トップは、11:30から始まった額賀・稲嶺会談について。

1分余り続いた。

防衛庁に到着した稲嶺知事、そして辺野古崎の空撮映像。


昨夜の渋面とはうって変わった稲嶺知事の笑顔が不吉。

不条理を押し付けてくる政府関係者との会談では、最後まで苦虫を噛み潰した顔を貫いた大田前知事を、いやでも思い出さざるをえない。

防衛庁を中心とする政府関係者からの圧迫で、つい同意を口にしてしまったとの見方もある島袋市長とは異なり(しかし、それはずいぶん甘い、希望観測的な見方だとも思う)

今日1日の会談で反対を翻す稲嶺知事ではないとは思うが、「沖縄県知事も再修正案に同意」というテロップの流れるのがこわくて、テレビを見ていられない。


しかし、先ほどのニュース。

あの、あいまいな笑顔が、いったいどこから来るのか?

なぜ、名護市長に続いて(それも今日早々に)、沖縄県知事がわざわざ防衛庁まで足を運ばなければならないのか。

これもまた今言っても詮無いことではあるが、大田さんなら沖縄を動かず、日本政府から派遣された使者への面会を突っぱねて、追い返したのではなかったか。


稲嶺知事が、あとどれだけ「もつ」だろうか・・・

そう考えたとき、どのように想定したとしても、日米両政府の合意に対して県としての同意を拒否し、特別措置法を引き出すところまで行くとは到底思えない。

であれば、この不条理な「10年目の同意」は、かなりの実効性を伴って実在している。

と同時に、引かれた線の位置が悪すぎる。

滑走路2本、そして大浦湾に大きく張り出した今回の再修正案は、名護市の提案よりさらに面積を増やし、軍港化を進め、環境を破壊し、将来への禍根を大きく残す案であることは誰の目にも明らかなのだ。

これが新たに引きなおされた交渉のスタート地点というのであれば、仮に今後米軍と日本政府の譲歩を引き出したとしても、たかが知れている。

つまり、二重三重の意味で、この「合意」は不条理であり過ぎる。



こういう日、これまでぼくは落ち着かぬ気持ちのままに「命を守る会」代表である金城さんのところに電話をかけるのが常だった。

そしていつも決まって最後には、逆に励まされているのだった。

「大丈夫。世の中、そうそう不条理がまかり通るものではないから」


金城さんの声を思い出し、再び三たび思うのだ。

できるところから、できることをしよう。

ぼくにできること。

とりあえず、ここに書きつけること。

それから・・・


新聞を買いに行こう。

情報を集めて、もう一度考えてみよう。

そしてそのあとで、みなさんにつなぎます。