沖縄で出会ったシーサー(21)
これも有名なシーサーだ。
壺屋の案内板の両側で、いかにも写真慣れしている。
15年前に沖縄に初めて行った頃には、土産物屋で売っているシーサー、ほとんど壺屋系の「まじめな」シーサーだった。
キーホルダーやイラストになったシーサーに、マンガチックなものもあったと思うが、それは決して主流ではなかったように記憶している。
(ガイドブックを見ると、そういう雰囲気は伝わってくる。ただし、今と違ってその頃のガイドブックは、平気で何年も前の情報と、ヘタをすると10年以上前の写真を使っているので要注意)
観光客の数、観光収入の差を見れば一目瞭然であるが、シーサーの多様化と、その商品化は比例している。
つまり、土産物としてのシーサーが先頭を切ってバリエーションを獲得してきたのである。
しかしそこには、もちろん「守り」への信仰がある。まだある、と言ったほうがよいか。
星座ブーム、占いブームと紙一重と言うまい。
そこにはやはり「目に見えない」ものへの畏怖と敬意が、きっと含まれている。
そもそも「目に見えない」ものを相手にしてきたはずのシーサーも、内地の人間の身近な存在になることを嫌がってはいないと思いたいのだ。