CLOSE-UP「花」

び ん

2006年12月17日 00:07




今ぼくの手元にいるのは、「花」という名前のペア。

米子焼シーサーは、どれも名前がつけられている。

つくり手の、より深い愛情のあらわれだろう)

思い切った造形の多い米子焼の中では、

たぶん、いちばんおとなしい部類に属する。


すくなくとも、そこにいたたくさんの仲間たちの中では、

いちばん、シーサーらしいシーサーの姿をしていた。


たてがみを風になびかせたり(風神のように)

虚空をきっとにらみつけたり(雷神のように?)

あるいは宇宙人のようだったり(ぼくらも宇宙人だが)

歌舞伎役者よろしく大向こうに見栄を切っていたり・・・


思い切って大きな空間の中に造形されて人気のある、

米子焼のスタイルがきらいなわけではない。

むしろ逆である。気持ちがいい。

こんど石垣島に行ったときには、

きっと、そんな一組に一緒に帰ってもらおうと思っている。



では、なぜこの一組が気に入ったのか。

理由は、文句なく、その名前のとおりの、

「花」にある。



海とも見まがう、

空とも思える、

それでいて花であり、

あるいは風であり、

そして、太陽。

天駆ける鳥にも見え、

海中生物のようでもある。


こんな「花」の姿には、

なかなか出会えない。

すくなくとも、シーサーと一緒には。






現在の米子焼の人気、

これから先しばらく、その勢いは衰えないだろう。


ぼくは、ひとつの「旅」でひと組のシーサーと決めているから、

それほどたくさんの米子焼シーサーを手元に置くことはないだろうが、

それでも間違いなく、あといく組かはわが家に来てもらうことになるはずだ。

何度くり返して見ても見飽きない、生き生きとしたおもしろさがあるので。